にこにこ会
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・立ち上げにまつわる物語
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黒川さん:口伝えが減ったんじゃないですか? やっぱり。 一同:そうかもしれない。 新人母:顔を見ない。 新人母b:逆にいつでも連絡取れるからって、何か頼りすぎちゃうって。 水澤:聞いてるのに憶えてない。憶えようって脳みそがもうない。 荘司:メモも取んないもん。 中村:便利だから無駄が無くなったってことが、もちろんあるよね。 黒川さん:無駄が無くなった、そう。でも、無駄に良い所がいっぱい入ってたんじゃないかと。 水澤:そうなんですよ〜、そうなんですよ。 中村さん:でもやっぱり、以前、一緒にいた引率母が倒れたときは、携帯、あれはもう私の命綱だなと思った。携帯持ってなかったらどうしようっていうような、命綱のときがあるから。あれが無かったら私、もう本当、大パニック。 黒川さん:でも、昔の保育はそれで、中村さんだってやってたんですよね、持ってない時代が有って。 中村さん:緊急の時はともかく、活動そのものに関してはやっぱり思いが違うよね、たぶん。よく話すんだけれど、私がなかよし会に娘を入れていた時に、雪が降って、途中で何にもこう着るものも何も持たせてなかったって気が付いて。雨具も、朝はこうそんなちょっと曇っていた位なのに、それがあっという間に雪空になっちゃって。雪まで降ってきちゃって。それで活動場所から一番近いのはうちだから、いつかうちに子ども達が避難して来るんだろうって思って。ずっと自宅を離れないで、外見て子供の声しないかずっと待ってて。もちろん携帯とか無くて。それでウチにガンガン、母達から「来た?」っていう電話があって、「来ない」って返事して。 一同:あ〜 中村さん:今、思い出しても涙がでちゃうんだけど、あの時、私も泣いて、それで隣にに友達が「何泣いてるんだよ」って泣いてて。 一同:爆笑。 中村さん:その時は、どこにいるんだろうって心配して、すごいドキドキして。 黒川さん:今ならメールでやっちゃうもんね、雪です、今どこです。 中村さん:どこどこにいま〜す、迎えに来てくださ〜い。 黒川さん:それがないよねぇ〜。 中村さん:それがない時代で、それだけ覚悟が要ったし。 黒川さん:保育者は10円玉持って歩いていたしね。公衆電話に駆けつけるコースの公衆電話の場所を絶対にチェックして。 一同:あ〜 中村さん:だから、今、なんとなくお母さんたちが「おかえり〜」って言っても、帰ってくるのもわかってる、みたいなね、時間がわかっているっていうような感じがするし。やっぱり携帯が無くってただ待つしか無いっていうその気持ちって、迎えるときのこころの動き方がすごい違うんじゃないかなっていうふうに思うのね。だから、よっぽどのことがない限り、到着が少し遅れますってメールするなんて、しなくていいんじゃないかな?っていうふうに思うところもあるし。 黒川さん:私も少しひっかかる。 中村さん:合理的で無駄がないっていうか、そうなのかもしれないけど、逆に言うとすごい余裕がないのかなって思う。もっといろんな思いとか、そういうものがあってもいいんじゃないかな、って思うのね。うーん、目に見えることじゃないから、伝えるのが難しいんだけど。 |
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