にこにこ会







立ち上げにまつわる物語

vol.7
 
『3人の保育者』


中村さん: 私がにこにこ会の中にいてあっと思うのが、幼稚園に勤めていた時は1つの大きな所にいるから、色々な先生のやり方を見たり影響を受けたり、先輩の先生を見たり後輩と話したりというのがあるけど、ここの保育って普段の活動がまったく別じゃない?
 もう私、黒川さんがどんなことしてるかっていうのを殆ど知らないし。それがすごくおもしろいなって思うときがある。一度、黒川さんに「やり方を一緒にしない方がいいんじゃない?」って言われたことがあって。要するに、全然やり方が違うから子どもが混乱するんじゃないか、統一するべきところがあるんじゃないかとか、そういう話をしたことがありました。「じゃあどっちにどう歩みよろうか?」って。

一同:(笑い)

黒川さん:できないんだよね。

中村さん:でも私、 「わかった、統一してみようか」って思ったの。私なりにやってみようって感じで。そしたらすごい不自然になってしまって。自分のやり方で行くしかないと思っ たけれど、ただ、統一することはないって。それぞれのやり方で良いとして許容するお母さん達がすごいなって思う。

黒川さん:すごいね。

中村さん: まあでも…、保育者を比較する気持ちっていうのは私も自分自身最初の頃は…、

黒川さん: あったよね。「どうしてAさんとBさんはこんなに違うんですか?」って。私は、お母さん達の負の感情が埋まってるんじゃないかって。不平を黙ってるだけなんじゃないかって、不安だったよ。みんな文句があるんじゃないかってね。

水澤:栗原さん、3人の保育者を経験してどうですか?

栗原:高崎さんにはお世話になれなかったけど、いや面白いなーって。それぞれの良さがあって、私は「お得!」って思う。「両方見てもらうのがお得!」って感じで。

水澤:他の自主保育グループの人に「保育者Aと保育者Bは違う、それって会としてどうなの?」って訊かれた時があったんですけど、その時に「この会だからこうじゃな きゃいけないって決まっているほうがおもしろくない」って思った。実際、去年、高崎さんに見てていただくことで3人制覇(!!)したんですけど、本当にそれぞれおもしろいんですよね。とにかく共通しているのは、3人ともすごく子どもを魅了する。親をも魅了する方だというところかな。
  それぞれの個性でやってらっしゃる、だけどお互いを尊重し尊敬してるし、自主保育の素晴らしさを身をもって体験し感激してきた3人だから、うまくいっている。3人同じようにはできないよねって言われてたけれど、睨み合っちゃってたらうまくはいってないわけだから。そこをうまくまとめてやってくださっているというところに3人のすごさを感じます。

新人母:ところで…、黒川さんはライゲンをどのようにして勉強されたんですか?  

黒川さん:なかよし会のしか知らないですよ。思い出しながら歌う…っていう感じ。

新人母B:最初、楽譜を一生懸命見ながらやってましたよね。

中村さん:やってたやってたー。途中でわかんなくなっちゃったりね。

黒川さん:今も適当に作って歌っちゃう。

新人母:黒川さんと中村さん、違うんですよね。

中村さん:え?ちがうの?

黒川さん:ごめんねー。

中村さん:ラの音から始めなきゃいけないのよね。低いのよね。

黒川さん:私、音とれないの。

高崎さん:難しいのよー、ライゲンの楽譜。

新人母:でもどっちが正しいのかわからないですよね。中村さんの音で黒川さんと一緒に歌っていると、あれ?って。

黒川さん:あるよねー。ごめんねー。

新人母:『さよならあんころもち』の節も違うよね。

新人母:あー、違う違う。

水澤:♪さよならあんころもち〜♪(上向きの節回し)っていうのが中村組で、黒川さんが♪さよならあんころもち〜♪(下向きの節回し)なんです。

一同:おーっ

(編集注:ライゲン。ドイツ語のReigen。輪になって歌う/踊るの意)

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