にこにこ会









立ち上げにまつわる物語

vol.4


普通の母たちから、ひとり、保育者が誕生しました。
その保育者、黒川さんの呟きをご紹介します。

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『もうひとり保育者を増やそう・・』


:2002年ぐらいから一番小さい齢のクラス、あひる組が増えますね。

鎌上:中村さんが全クラスを見るということで予定表を母たちもいっしょになって考えました。でもどうしてもそれは難しく…、保育者をもう1人増やすしかありませんでした。

黒川さん:中村さん、高崎さんかな?現役の母からから保育者をやってくれないかと頼まれました。1人の母として参加していたので、まさか私が保育者なんてとっても考えられなくって…、でも、保育者が増えなくてはどうにもならないのはよくわかりましたので、困っちゃいました。
  そのときは長男が小学生、長女がやんちゃおで活動していて次女がにこにこ会どんぐり組で忙しかったし…。それと、なんといっても私では器が足りないと思っ た!理由をあれこれ挙げて、断りました。でも中村さんが「なんだっていいんだよ。私だって初めてだったんだから」といってくれて、肩の力がすっと抜けまし た。自主保育を長く経験して、保育はこうでなくてはいけないという、固定観念で頭が固くなっていたところもあったんですね。
『気楽にやっていいんだ!そうかそれなら、私のような力のない母が保育者をやっちゃえばもしかして、私も保育者をやって自主保育をつくってみよう!』
 なんてふうにこんな輪があちこちに広がるかな。それならやろうか。と思いました。

:保育者になっていかがでしたか?

黒川さん:保育者の立場から見えるものは母の立場からとまったく違いました!
保育者なんて初めてなので始めは緊張したけど、でもなんだかとっても面白かった。自分の子どもから解放されて、子どもたちみんなのことを見れるのはぜんぜ んちがうのね。それに、子どももそうだけど、母たちがすばらしく変わっていくのは驚きだった。「なんにもわからないのでおしえてくださ〜い」なんて、始め は小さな声で遠慮していた母もどんどん意見を言うようになってりっぱになっちゃうんです。


♪ちょっと横道1
保育者が母として自主保育に入ったきっかけ

:保育者さんの自主保育に入ったいきさつは?

黒川さん: 私の場合、長男が体が大きくやんちゃで、公園では友達を突き飛ばしたり、おもちゃを横取りしたりで、他のお母さんに「あの子と遊ばないのよ。」とささやか れていたり。困りはてていたころ友達に紹介されてなかよし会を知って…、見学もしないで入れてくださいと頼みました。思いきり喧嘩かをさせられる仲間がで きてとても楽になったな。

中村さん: 私の場合だけど、うちの娘のために見学に行ったとき黒川さんちの息子がね、崖を登れないでいる子どもの手を踏んで登っていったのね。びっくりして「助けて あげようかと思った」とつぶやいたら「子どもの世界はそんなに甘くないのよ」と保育者さんに言われて。そこで何故か、これはいいかも!って思ったんだよ ね。この類の体験を私は「ふるい」と呼んでいるんだけど。これで私は入ろう思ったんだよね。


♪ちょっと横道2
自主保育への迷い

黒川さん: 自主保育をやめて、3年保育に入れる人がいました。やんちゃおをはじめる時も思ったのですが、幼稚園に入れなくて大丈夫かな…、という漠然とした不安。学 校にちゃんといけなくなるのではないかな…なんて。早期教育がもてはやされている頃で…、それには抵抗があったけど、子育てって何が大事なのかなっていつ も迷っていたな。何が回答かわからなかったけれど、自然と仲間を失うことだけはできなかったから続けちゃったんだね。でも学校にちゃんと行けなくなるなん てことにはならなかった。というより、自然の中で思いきり遊ばせといてよかったなと…。

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